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COLUMN コラム

悠久の国インドへの挑戦

2017.04.07

「悠久の国インドへの挑戦」44 インド基礎知識そのII:カースト制度について

藤崎 照夫

オーバーロードされたトラック(インド)

今月はインドと言えば殆どの方がご存知のカースト制度について話を進めてみたいと思います。私も含めて読者の皆さんがご存知のことは大きく分類すると5つのカーストに分けられるということではないでしょうか。
おさらいの意味でこの5つについて下記しますと。

バラモン  :カーストの最上級に位置つけられる所謂祭祀を司る司祭階級
クシャトリア:武士・貴族階級
バイシャ  :商人階級
スードラ  :奴隷階級
アンタッチャブル:不可触賤民(ガンジーは彼等を神の子と呼んだ)

これらの階級はブァルナと呼ばれ、生まれつきのものであり自分の意思では変更出来ませんがブァルナという概念を全てのインド人が理解している訳では なく、むしろブァルナトいう概念よりもっと細分化されたジャーティーという概念を自分のカーストとして理解している人が多いと言われています。このジャーティートいうのは血縁や職業などによって細分化された身分で3000以上の区分があるそうです。例えば床屋、掃除人、蛇使い等々

インドではこのカーストによる差別待遇は憲法で禁止されておりたとえ低い カーストの人でも自由に職業を選択出来、2代前のインドの大統領は最も低いカーストの出身者でした。従って自分の履歴書を書く際にもカーストについて書く必要もないしまた就職の面談の際もこれについて質問することは禁じられています。

一旦仕事に就いた後も高いカーストの人がより偉くなるということもありませんし飽くまでも本人の能力次第ということになります。但しインド政府は上記の不可触賤民と少数民族に対しては規定を設けて公務員や国会議員への一定枠や大学での優先入学枠を設定しています。
このような優遇策については私もインド駐在中に経験したことですが政府がある部族を指定部族として認定したところ他の少数部族から強い抗議が上がり自分達も指定部族として認定しろというデモが行われました。

インドに駐在している時に新聞で見合い相手を捜す沢山の顔写真入りのフルページを何度か見たことがありますがその自己紹介で高カースト、高収入、色白などと書かれていました。日本で一時流行した所謂“3高”に近い自己PRでしょうね。伝統的な職業については、それを世襲するカーストがあってそれが階層的に社会を形作っていましたが、新しい職種についてはカーストの規制外となります。近代工場での仕事や事務所での仕事、IT関係の仕事は出自に関係なく出来る人に与えられると言えます。インドでIT参業が大きく発展したのもこういう背景があるのかもしれませんね。今月は少し短いコラムになりましたがインドでのカースト制度について触れてみました。

藤崎 照夫

Teruo Fujisaki

PROFILE

早稲田大学商学部卒。1972年、本田技研工業(株)入社後、海外新興国事業に長年従事。インドでは、二輪最大手「Hero Honda」社長、四輪車製造販売合弁会社「Honda Siel Cars India」初代社長として現地法人トップを通算10年務める。その後、台湾の四輪製造販売会社「Honda Taiwan」の初代社長、会長を務めた後2006年同社退職。現在はサンアンドサンズ社、ネクスト・マーケット・リサーチ社等の顧問として活躍インド、アジア事情に幅広く精通している。

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