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COLUMN コラム

悠久の国インドへの挑戦

2017.05.08

「悠久の国インドへの挑戦」45 インド基礎知識そのIII:インドにおける宗教

藤崎 照夫

ケーララ州(南インド)の風景

 これまでのコラムの中で何度か「インドは多民族、多言語、多宗教の国」ということには述べてきましたが、今回は宗教について触れてみたいと思います。最近の国政調査によればヒンドゥー教徒が80.5%, イスラム教徒が13.4%, キリスト教徒が2.3%, シーク教徒が1.9%, 仏教徒が0.8%, ジャイナ教徒が0.4%, その他が0.6%となっています。我々日本人にはなじみのない宗教もあるかと思いますので夫々について説明していきたいと考えます。
 
 先ず大多数を占めるヒンドウー教ですが、この宗教については日本ではあまり知られていないと思いますので、少し詳しく説明したいと考えます。狭い意味でのヒンドウー教はバラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教の宗教です。紀元前5世紀頃に政治的な変化や仏教の隆盛がありバラモン教は民間の宗教を受け入れ同化してヒンドウー教へと変化していったという歴史があります。

 その後紀元4~5世紀に当時優勢であった仏教を凌ぐようになり、それ以降インドの民族宗教として民衆に信仰され続けて来ています。この宗教は三大神と呼ばれるブラファー、ビシュヌー、シバを特に崇拝し、これらの神々は色んな場所でその像や絵画を見ることが出来ます。工場の地鎮祭の際に所謂護摩を焚いて工事の無事を祈願しましたが、こういうこともヒンドウー教の祭礼の一つだと説明を受けた記憶があります。

 次に多いのがイスラム教徒ですが13.4%といっても総人数から言えば1億6千万人を超す人達となります。この人数は世界のイスラム教の国の中でも3番目ぐらいになる訳ですがインドはイスラム国だと言われることはありませんね。最大多数のヒンドウー教徒とイスラム教徒が宗教的対立で暴動が起きたりすることは殆どありません。お互いが共存共栄していると言ってもよいのではないかと思います。

 次はキリスト教ですが大都市でもキリスト教の教会を目にすることは殆どありません。
 1961年までポルトガルの植民地であったインドの南西部のゴア州等では非常に多くのキリスト教徒が暮らしています。このゴア州はインドの中でも最も識字率が高く、男女合わせた合計でも80%を超える識字率でインドの他の州と比べて際立った数値と言えます。このゴアには有名なバスコダガマの遺体が今も保管されていて10年に一度一般公開されているそうです。

 次にシーク教について説明したいと思います。シーク教徒は頭にターバンを巻いた人達です。この人達は大変勇敢な人達といわれており軍隊や警察などで沢山見かけます。

 このシーク教徒の人達は頭髪はずっと伸ばしたままで頭の上で巻きつけています。
 私の駐在時代に二輪車に乗る時はヘルメットを強制着用することが法律で決まりましたが、色々な議論の後シーク教徒はヘルメットをしなくてもよいと例外扱いになりました。

 ジャイナ教というのはインドにある宗教の中でも最も戒律の厳しい宗教と言われています。この宗派はもともと空衣派とも言われていて身体に一切着るものもまとわない人達が現在もいるそうです。また完全な菜食主義で野菜の中でも根のあるものは採集する時にそれについている虫等を殺す可能性があるということで根菜は食べないと言われています。

 またインドの中では極めて少数ですが拝火教徒(ゾロアスター教徒)と呼ばれる人達がいます。この宗教はもともとイランが発祥の地と言われていますが独特の規律を持っています。但しこの宗派の人は同一宗派の人としか結婚しないので年々人数は減って来ているようですがインドを代表する大財閥であるタタグループにはこの拝火教の人が数多くいるそうです。インドにおける宗教について多少でもご理解頂けたら幸いです。

藤崎 照夫

Teruo Fujisaki

PROFILE

早稲田大学商学部卒。1972年、本田技研工業(株)入社後、海外新興国事業に長年従事。インドでは、二輪最大手「Hero Honda」社長、四輪車製造販売合弁会社「Honda Siel Cars India」初代社長として現地法人トップを通算10年務める。その後、台湾の四輪製造販売会社「Honda Taiwan」の初代社長、会長を務めた後2006年同社退職。現在はサンアンドサンズ社、ネクスト・マーケット・リサーチ社等の顧問として活躍インド、アジア事情に幅広く精通している。

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