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COLUMN コラム

名作にみる美しい英語

2020.01.27

名作にみる美しい英語(161)

原島 一男

  “Children are always beautiful.
  Every kid, up to, say, eight years old
  always looks good.”

  「いつも子供たちは美しい。子供は誰でも、
 そう8歳になるまでは、何とも言えない姿をしている」
   (アンディ・ウォーホル作 「私の哲学」から)

 小説や映画などの名作から選んだ美しい英語を紹介する連載。
そのフレーズが生まれた時代や背景を色濃く伝え、使った人の気持ちを具体的に表します。
それをじっくり観察することで、あなたの今の英語を鍛えあげましょう。言うまでもなく、一つのフレーズだけでは、その作品の全貌をつかむことはできません。
しかし、それが、あなたを刺激することもあるかもしれません。

  “Children are always beautiful.
  Every kid, up to, say, eight years old always looks good.
  Even if the kid wears glasses it still looks good.
  They always have the perfect nose.
  I’ve never seen an unattractive baby.
  Small features and nice skin.
  This also applies to animals  --
  I’ve never seen a bad-looking animal...”

 (The Philosophy of Andy Warhol by Andy Warhol)

 「いつも子供たちは美しい。
 子供は誰でも、そう8歳になるまでは、何とも言えない姿をしている。
 その子供が眼鏡をかけていたとしても、いい。
 子供たちは完璧な鼻をしている。
 私は魅力のない赤ちゃんを見たことはない。
 小さな目鼻だちと可愛らしい皮膚
 これは動物にも当てはまる。
 見るに堪えない動物は見たことがない…」

(アンディ・ウォーホル作 「私の哲学」から)

・to look good  = 見た目がよい → 理想的な何とも言えない姿をしている
・bad-looking  = 悪い姿の → 見るに堪えない
 

 アンディ・ウォーホルは20世紀後半にニューヨークで活躍したグラフィック・デザイナー。
 キャンベルの缶スープのラベルをもとにして、いわゆる”ポップアート”を誕生させた人。
 1964 年には東京オリンピックが、70 年には大阪万博が開かれ、日本が急速に国際化した時代で、まだ街にはマクドナルドはなく、本屋さんや喫茶店に人気が集まっていました。つまり、日本が高度成長をする前の時代に、ウォーホルはロイ・リキテンシュタインやジャスパー・ジョーンズなど、ほかの作家たちとともに”ポップアート”の価値を完成させ、1987年2月22日胆嚢手術で入院したあと58歳でこの世を去りました。
 「ぼくの哲学」は1975年に出版され、「愛」「美」「名声」「仕事」「時間」「死」「経済」「雰囲気」「成功」など15項目についてのウォーホル自身の考え方をまとめたもの。ここに紹介した文章は「美」について書かれているものの一部で「何が一番美しくて、かっこうがいいのか?」を端的に語っています。  

 それでは、キーワードの一つ look (動詞/名詞) は、いろいろな意味がありますが、ここの場合は「~に見える、~のよう/外観、表情」など。

「あなたは幸せ(悲し)そうに見える」  You look happy (sad).
「あなたは(いつもと)違う様に見える」  You look different.
「彼はほっそり、スっきりしている」    He looks trim and slim.
「彼女は、近くで見ると老けている」   She looks older -- up close. 
「この時計は、かっこうがいい」     This clock (watch) is good looking.
「あなたは絵のようだ」          You look like a picture.
「彼女は映画スターのようです」     She looks like a movie star.

   では、look が映画では、どのように使われているのでしょうか?
 「サウンド・オブ・ミュージック」では、子供たちがパーティーに集まった人たちを見て話し合っています。

BRIGITTA (10 years old) : The women look so beautiful!   「女の人、きれいね!」
KURT (11 years old) :     I think they look ugly!                   「ぼくはみにくいと思う!」
LOUISA (13 years old) :   You say that because                  「女の人がこわいから、
                   you’re just scared of them.                     そう言うのね」
KURT :      Silly. Only grown-up men are scared of women.「ばかだな。大人の男だけが女の人をこわがるんだ」
GRETL (5 years old): I think the men look beautiful.      「わたしは男の人がステキ(きれい)だと思うわ」
LOUISA :        How would you know?                      「なんで、(子供なのに)そんなことわかるの?」

ー「サウンド・オブ・ミュージック」 (The Sound of Music  1965年 監督:ロバート・ワイズ 脚本:アーネスト・レーマン)

 それから、もう一つの単語 animal  (動物)のほうもみてみると、ニューヨーク在住のハリー(アート・カーニー)72歳。永年住み続けたアパートが取り壊わされることになり、一緒に居たネコのトントを連れて、ドライブの旅に出ます。そのとき、まわりを走るクルマを見て。

HARRY: These days, a man doesn’t know       「最近、人はクルマを運転しているのか、
       whether he’s driving a car or an animal. 動物を運転しているのか、わからない。
       Mustangs, Jaguars, Cougars, Pintos...   ムスタング、ジャガー、クーガー、ピント…」
 

ー「ハリーとトント」(Harry And Tonto  1974 製作/監督/脚本:ポール・マザースキー 脚本:ジョシュ・グリーンフェルド)

  まさにその通り。そして、そのクルマには馬のマークがついていることが多いです。クルマの名前に複数形の s がついているのは、何台もあるからです。

・ Mustang(ムスタング)= 小型の半野生馬(米国南西部原産)
・ Jaguar (ジャガー) = アメリカヒョウ(中央・南アメリカに生息)
・ Cougar (クーガー)  = アメリカライオン(ネコ科の動物。北米西部・南米の山地に生息)
・ Pinto (ピントー) = まだら模様のある馬

 なお、 Cougar は「自分たちよりもはるかに年下の男性を恋人にする中年女性たち」という意味もあるようです。

 最後は テネシー・ウィリアムズの代表作品「欲望という名の電車」から。

He acts like an animal,           「彼は動物のように行動する、
has an animal’s habits!      動物の習慣を持っている!
Eats like one, talks like one!     動物のように食べ、動物のように話す」

ー「欲望という名の電車」(A Streetcar Named Desire  1951年 監督:イリア・カザン 脚本:テネシー・ウィリアムズ 原作:テネシー・ウィリアムズ)

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原島 一男

Kazuo Harashima

PROFILE

一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。

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