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COLUMN コラム

名作にみる美しい英語

2020.08.11

名作にみる美しい英語(167)

原島 一男

“You going to eat your olive, or what?”
Lane gave his Martini glass a brief glance, then looked back at Franny.
“No,” he said coldly. “You want it?”
「そのオリーブを食べるつもり? それとも?」
レーンは自分のマティーニのグラスにチラリと目をやり、フラニーのほうをみた。
「いらない」と冷たく言った。「あなたはほしいの?」
(J. D. サリンジャー作『フラニーとズーイ』から)

 小説や映画などの名作から選んだ美しい英語を紹介する連載。
 そのフレーズが生まれた時代や背景を色濃く伝え、使った人の気持ちを具体的に表します。それをじっくり観察することで、あなたの今の英語を鍛えあげましょう。言うまでもなく、一つのフレーズだけでは、その作品の全貌をつかむことはできません。しかし、それが、あなたの感性を刺激することもあるかもしれません。

“You going to eat your olive, or what?”
Lane gave his Martini glass a brief glance, then looked back at Franny.
“No,” he said coldly. “You want it?”
“If you don't, “ Franny said. She knew from Lane’s expression that she had asked the wrong question.
What was worse, she suddenly didn't want the olive at all and wondered why she had even asked for it.
There was nothing to do, though, when Lane extended his Martini glass to her but to accept the olive and consume it with apparent relish.
 (from “Franny and Zooey” by J.D. Salinger)

「そのオリーブを食べるつもり? それとも?」
レーンは自分のマティーニのグラスにチラリと目をやり、フラニーのほうをみた。
「いらない」と冷たく言った。「あなたはほしいの?」
「あなたが、ほしくなければ、」とフラニー。レーンの顔つきをみてフラニーは場にそぐわない質問をしたと思った。もっと悪いことには、その時、彼女はオリーブをもうほしくなくなっていた。なんでそんなことを言い出したのか不思議に思った。実は何でもないことなのだ。でもレーンがマティーニのグラスを差し出されれば美味しそうに食べるほかなかった。
(J. D. サリンジャー作「『フラニーとズーイ』から)

男女の大学生二人(レーンとフラニー)がマティーニ・グラスを手に話し合っています。「マティーニ」とはジン(ウオッカなど)にベルモットを混ぜ合わせた冷たい辛口のカクテル。そのマティーニに添え物としてオリーブを入れることから、そのオリーブを食べるか食べないかの話です。

ニューヨーク生まれのJ. D.サリンジャー(1919 - 2010) 。この「フラニーとズーイ」が出版されたのは1961年でしたが、ほかの作品同様、言葉の使い方、ストーリーの展開の仕方などが独特で、とにかく面白い。1950年代のアメリカ東部の大学に通う大学生の男女の日常の行動、モノの考え方などが描かれていて、いろいろな発見を見出せることでしょう。サリンジャーの作品には「ライ麦畑でつかまえて」「ナイン・ストーリーズ」「大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア -序章-」が知られています。

ここで、簡単ながら単語や文章を説明します。

・You going to eat your olive? = Are you going to ~?(~するつもりですか?)
                  軽い会話なので are が省略されている

・or what?   =  「それとも何?、何~じゃない?」と相手の気持ちを探る言葉

・brief glance = チラリとみること

・ look back at = ~を見直す/~を見返す

・You want it?  = Do you want it? (ほしいですか?)の do を省略

・If you don't,  = If you don't want it.  (もし、ほしくないのなら)

・wrong question  = 間違った質問/その場にそぐわない質問

・what was worse = もっと悪いことには worse は better の反意語 
・ bad (悪い)worse(より悪い) worst(もっとも悪い)
・ good (よい)better (もっといい)best (もっともいい/ベスト)

・at all = とっても/少しも/全然   
          cf :  I’m not happy at all. (わたしはちっとも幸せではない)
            He didn’t understand it at all. (彼はそれを全然理解しなかった)
            Not at all (全然構わない/全く~でない)

・there was nothing to do = 何でもないこと

・with apparent relish = 明らかな 楽しみ/喜び/興味


ここで次に、映画のセリフから‘be going to’の使い方を確認しましょう。

LESTER   So, what are you girls doing now?  「それで、みんな、これからどうするの?」
ANGERA   We’re going out for pizza.     「私たち、ピザを食べにいくんです」
--「アメリカン・ビューティー」 (American Beauty  1999年   監督: サム・メンデス  脚本: アラン・ボール)

EVE:     It's going to be a long night.        「これから長い夜がはじまるわ」
ROGER: True...                   「確かに!」
EVE:    And I don’t particularly like the book I started.   「読み始めた本も気に入らないし」
--「北北西に進路をとれ」(North By Northwest 1959年 監督:アルフレッド・ヒッチコック 脚本:ア-ネスト・レ-マン)

LISA:  I'm going to stay with you.                 「あなたのところに泊まることにしたの」
JEFF:  Well, you'll have to clear that with my landlord.「そう、家主の承認をもらわなければいけないよ」
LISA:  I have the whole weekend off.            「週末は何にも仕事がないの」
-「裏窓」(Rear Window 1954年 監督:アルフレッド・ヒッチコック 脚本:ジョン・マイケル・ヘイズ)

 それから、‘want’と‘at all’ です。

DORMANT:   You see? You never can tell            「分かる?
                    when you might need a friend.   友達はいつ必要になるか分からない」
PAGE BOY:   Good evening, Mr. Dormant.     「今晩は、ドーマンさま」
DORMANT:   Armand, I want a taxi.        「アーマン、タクシーを頼む」
PAGE BOY:   Yes, Mr. Dormant.  Right away.   「かしこまりました、ドーマンさま」
-「おしゃれ泥棒」 (To Steal A Million 1966年 監督: ウイリアム・ワイラー 脚本:ハリー・カーニッツ)

PRINCESS ANN:  Did you know there are people           「(世の中には)なんにも着ないで寝る人もいる
         who sleep with absolutely nothing on at all?   ことをご存じ?」
COUNTESS:  I rejoice to say that I did not.             「それを存じませんことを喜ばしく思います」
-「ローマの休日」 (Roman Holiday 1953年 
  監督:ウィリアム・ワイラー 脚本:イアン・マクレラン・ハンター/ジョン・ダイトン 
  原作:ダルトン・トランボ)

HOLLY: You know, you’re sweet. You really are.     「あなたって優しいのね。本当に。
  And you look like a little like my brother Fred.      それで、あなたは弟のフレッドに
  Do you mind if I call you Fred?           ちょっと似てるの。フレッドと呼んでもかまわない?」
PAUL:  Not at all...               「全然、かまわないよ」
-「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany's 1961年 監督:ブレイク・エドワーズ 
  脚本:ジョージ・アクセルロッド)     


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これまで私の拙い執筆をご覧いただき、ありがとうございました。
英語を身につけるベストな方法は、オリジナルの映画や名作の場面にあたって、そこで話されている表現をそっくりそのままコピイすることです。
そこで、世界の名作のうちから、日常使われる正しく品のある表現を拾って紹介してきた積もりです。
今後もそうした試みに目を配っていきます。
美しい英語を話すだけで他人から一目置かれますし、あなたの世界が広がりますよ。
どうぞよろしく!原島

原島 一男

Kazuo Harashima

PROFILE

一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。

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