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COLUMN コラム

ベトナムビジネスで見た景色

2017.09.19

【ベトナムビジネスで見た景色(33)】アジア企業の世代交代をチャンスに繋げるために

小川 達大

 1985年のプラザ合意は、日本企業のアジア展開にとって、大きな転換点でした。大幅に円安が進んだことで、アジアでの生産拠点が増えていきます。それから30年以上が経った今、ベトナムを含むアジア諸国は、次なる転換点を迎えています。世代交代です。

 プラザ合意以降、日本企業とビジネスパートナーになったり、その環境変化のタイミングで起業したりした東南アジアの(脂の乗った)ビジネスパーソン達は、60歳前後になり、引退のタイミングに差し掛かっています。子ども達(日本やアメリカやオーストラリアなど海外に留学しているケースも多いですが)は、会社を継ぐ意向があるケースもあれば、もっと「格好いい」仕事をしたいと言っているケースもあります。

 創業者が自分のオーナーシップを誰かに譲りたいと思っている事例や、新たな外資企業の出資を受け入れて外資企業に経営を担ってもらおうとする事例や、自分の子どもを中心とした経営体制に移行しようとする事例など、様々です。私自身、そういったタイミングのベトナム人経営者の相談にのることもありますが、気づけば、息子の留学先の相談になっているようなこともあります。

 日本企業側とすれば、今のビジネスパートナーとの関係を見直すタイミングになるかもしれませんし、ベトナム企業を買収する機会になるかもしれません。特に、ベトナム国内の市場を対象にする事業の場合、流通能力などの点で現地企業の力を活かすことが有効です。

 一方で、日本市場に目を向けると、人口減少局面に入り、国内市場の総量としての成長はなかなか臨みづらい状況にありますので、アジア市場に対する関心はますます高まってくるでしょう。そういったベトナム側と日本側の状況ですので、ベトナムの元気な中堅の内需型企業と、日本の内需型企業が関係を深めていくというケースが増えていきそうだと考えています。


 ただし、そういったケースが増えていくということと、そういったケースを通じて成功する事例が増えていくということは、別の話です。日本の内需企業は、その言葉が示すとおり、日本国内での活動が中心でしたから、海外事業に対応できる体制になっていなかったり、海外事業に対応できる人材がいなかったり、という状況がありがちです。日本国内市場の縮小に危機感を抱く社長は海外展開の旗を振るものの、肝心の(センスと覚悟を持った)担当者が不在という事例は、少なくありません。

 アジア企業との具体的な提携案件が舞い込んできてからバタバタと体制や人材の対応をしていては間に合わないでしょうから、早めに、将来を見据えた体制の検討や、社員の意識改革や外部人材の採用などを進めていく必要もあるでしょう。


それでは、ヘンガップライ!

小川 達大

Tatsuhiro Ogawa

PROFILE

経営戦略コンサルティング会社Corporate Directions, Inc. (CDI) Asia Business Unit Director。同ベトナム法人General Director、同シンガポール法人Vice Presidentを兼任。 日本国内での日本企業に対する経営コンサルタント経験を経て、東南アジアへ活動の拠点を移す。以降、消費財メーカー、産業材メーカー、サービス事業など様々な業種の東南アジア展開の支援を手掛けている。ASEAN域内戦略立案・実行支援、現地企業とのパートナリング(M&A、JVづくり、PMI等)支援、グローバルマネジメント構築支援など。日本企業のアジア展開支援だけでなく、アジア企業の発展支援にも取り組んでおり、アジアビジネス圏発展への貢献に尽力している。
CDI Asia Business Unit

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