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COLUMN コラム

マーライオンの眼差し

2018.01.04

マーライオンの眼差し (33) インター校 ② ~シンガポール~

矢野 暁(サムヤノ)

<傑出したインター校市場>

 タイやマレーシアでは政府の規制緩和も手伝ってインター校の数が急増しましたが、正直なところ「なんちゃってインター校」が圧倒的過半数を占めます。知名度が高く、外国人子女やエリート層子女の対象として検討されるようなインター校は結構限られています。主要な正真正銘のインター校と言えるのは、各国でせいぜい十数校程度なのではないでしょうか。

 こうしたことを踏まえつつ先回のコラムで言及した2015年調査では、シンガポールにある主要インター校の合計生徒数は、ASEAN主要6ヵ国(ASEAN5+ベトナム)の主要インター校生徒総数の三分の一を占めるという結果となりました。また、「市場規模」すなわち「学費x生徒数」という観点からも、平均的な学費が他国と比較して格段に高いシンガポールのインター校市場は飛び抜けて大きなものとなっています。調査時に見ることのできた主要校の大部分の利益率2桁は当たり前、2割とかに達している学校もありました。非営利の学校もありますが、収益性が高く安定した事業のようです。それゆえに、M&Aが活発な分野でもあります。

 シンガポールにある某有名インター校の校舎内廊下の壁には「We are proud of the diversity of our community」と書かれており、多様性を象徴する言葉や絵が壁一面を埋め尽くしている。(筆者撮影)


<外国人子女の選択肢>

 シンガポールでは、政府が認可した地場インター校3校(どれも有名なエリート校)を除いて原則的にシンガポール人はインター校に通えませんから、大部分のインター校生徒は外国人となります。逆に外国人はインター校や日本人学校・韓国人学校のような自国の学校に通うのが原則であり、どちらかというと例外的に地場の学校にも入学できるという状況になっています。

 シンガポールの公立・私立学校の教育水準は世界のトップレベルですから、欧米人を含め、インター校ではなく、敢えて地場の学校を積極的に選択する外国人の親もなかにはいます。費用が高い・安いという要因も一部にはあるでしょうが、むしろ教育に対して「親が期待・重視する」優先項目に基づく選択と言えるでしょう。

 他にもあるようですが、シンガポールにおいて外国人に広く認識されているインター校を列記します。それぞれ特徴がありますので、どの学校がベターか?というのは一概には言えません。もちろん巷では優劣に関して色々な意見がありますし、「テスト」で測定する「学力」だけを基準とすれば地場インター校3校が傑出しているかもしれませんが、親や子供が学校・教育に何を期待しているか、どこに価値を置いているかにより各人が自ら判断するべきだと思います。


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矢野 暁(サムヤノ)

Satoru Yano

PROFILE

慶應義塾大学を卒業後、東南アジア諸国における経済・社会インフラ開発に従事。その後、英国投資銀行にて、食品・飲料、ヘルスケア、衣料、小売等の分野のクロスボーダーM&Aの仲介・助言業務に携わる。ベトナム政府に対する国家開発支援アドバイザー、同国での多岐にわたるベンチャー事業の成功を経て、1999年にCrossborderをシンガポールに設立。ASEANを中心に、B2C・B2Bの事業を問わず大手日本企業や中堅企業がアジアで新規市場参入および事業拡張・改善をするために、戦略、組織、パートナーシップ、マーケティング、人材などの面で支援を行っている。また、アジア・ASEANや異文化・リーダーシップなどをテーマとする企業向けセミナーおよび社内研修の講師も務める。シンガポール経営大学(Singapore Management University: SMU)の企業研修部にて、日本企業、多国籍企業、シンガポール企業へのプロジェクト・コーチ&ファシリテーターも兼務。「アジアから日本を元気にする!」と「草の根レベルで地道にコツコツと」をモットーに、アジアを駆け巡りながら毎月の訪日も欠かさない。シンガポール永住。

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