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COLUMN コラム

名画から選んだ美しい英語

2015.06.01

「名画から選んだ美しい英語」(104)

原島 一男

“If Jesus Christ had lived in Chicago today and if he had five thousand dollars and had come to me, things would have turned out differently.
「キリストが現代に生きていて、5,000ドル持って来て私に弁護を頼んだとしたら、結果は違っていただろう」(シカゴ)

映画の中で話されている、上品で丁寧なフレーズをそのまま紹介する連載。
「シカゴ」は、ブロードウェイで1975年に初演され、1996年に再演されたミュージカルの映画化です。1920年代のシカゴでは、一部の女性たちは快楽と名声を追い求めていました。その典型ともいうべきロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)は、歌と踊りでスターを夢みますが、浮気をした愛人を撃ち殺して監獄送りになります。監獄の女看守長は、ロキシーの弁護をビリー・フリン(リチャード・ギア)に依頼することを勧めます。
その弁護士の言葉。

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BILLY: If Jesus Christ had lived in Chicago 「キリストが現代に生きていて、
today and if he had five thousand 5,000ドル持って来て
dollars and had come to me, things 私に弁護を頼んだとしたら、
would have turned out differently. 結果は違っていただろう。
All right, this is what we're gonna do. よし、こうしよう。週の終りまでに、
By the end of the week, I'm gonna have 街中の新聞の一面に
Roxie's name on the front page of ロッキーの名前を
every newspaper in town 出すことにしよう」

-「シカゴ」(Chicago 2002年 監督:ロブ・マーシャル 脚本:ビル・コンドン)
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これは、過去の事実を顧みて、実際には実現できなかったことを仮定する仮定法過去形の典型例。
「もし ~が ~だったとしたら、~の結果になっただろう」という構文は、“If ~ had+動詞の過去分詞 、~ would have+動詞の過去分詞”となります。

・things would have turned out differently
   = 物事は違っていたことがわかるだろう → 結果は違っていただろう
・turn out = 結局 ~ であることがわかる/~に転じる

というわけで、ビリー・フリンは陪審員の同情をひくようなストーリーを造り出し、マスコミを操作して、ロキシーという殺人者を新聞の紙面を華やかに飾るトップスターに変身させてしまいます。ロキシーの髪型や服装が女性たちの‘ブランド’となり、一世を風靡します。

ミュージカル・シーンは、すべてロキシーの空想として描かれます。そこで、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが歌い、レニー・ゼルウィガーが踊り、リチャード・ギアがタップダンスを披露します。ストーリーは、実際に起こった事件をからませ、シカゴの現実であった法曹界の堕落とマスコミの無意味さを描いて行きます。

ロブ・マーシャル監督は「1920年代は退廃的で腐敗した時代。女性たちは、禁酒法にもかかわらず、酒とタバコを好み、男と関係を結び、時には、夫や恋人を殺してしまうこともあった。また、「名声への誘惑」という風潮を利用してマスコミや法曹界を操る人間も存在した」と語ります。映画は第75回アカデミー賞(2003年)で作品賞、助演女優賞、衣装デザイン賞、編集賞など6部門を受賞しました。

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原島 一男

Kazuo Harashima

PROFILE
一般社団法人内外メディア研究会理事長、ノンフィクション作家。慶應義塾大学経済学部卒業。ボストン大学大学院コミュニケーション学科に留学後、1959年NHKに入局。国際局で英語ニュース記者・チーフプロデューサーを務める。定年退職後、山一電機株式会社に入社、取締役・経営企画部長などを務める。現在、英語・自動車・オーディオ関連の単行本や雑誌連載の執筆に専念。日本記者クラブ・日本ペンクラブ会員。『店員さんの英会話ハンドブック』(ベレ出版)、『オードリーのように英語を話したい!』(ジャパン・タイムズ)、『なんといってもメルセデス』(マネジメント社)など、著書多数。

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