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COLUMN コラム

Top Management View for Global

2016.09.01

グローバルな労働市場で選ばれ、成果を生み出す組織創りに向けて

一色 顕

企業の経営テーマに「グローバル化」というキーワードが上がってきてから久しくなりました。なぜ企業にはグローバル化が必要なのか?経営視点でシンプルにその必要性を考えてみると、3つのフェーズに分けることができます。

まず第1に「商品市場」の獲得。自社の商品サービスを国内市場だけでなく、グローバル市場にも展開することで、企業成長をはかろうという動きです。日本企業の場合、1970年代~80年代、その商品サービスの優位性の武器に世界市場を席巻しました。Japan Bashing (日本叩き)の嵐が吹き荒れたのもこの頃です。

第2に「生産・物流拠点」の獲得。販売網の拡大を支え、さらに企業の経営効率を高めていくには生産拠点の最適化や物流網の整備が欠かせません。1990年~2000年代に多くの気企業で「サプライチェーン」という言葉が盛んに使われていたころと符号が合致します。私は前職のソニー時代、2001年~2005年の間にヨーロッパに駐在していましたが、まさに欧州向けTV生産・販売のサプライチェーン構築を担当していました。

そして2010年代後半に入り、商品市場もサプライチェーンも完全にグローバル化した今、日本企業は何のためにグローバル化が必要なのでしょう?もしくはこれからのグローバル化のテーマは何に求めるべきなのでしょう?私は「労働市場」の獲得にあると考えています。企業の競争優位の源泉はハード(生産設備や不動産など)からソフト(人材力やそれを活かす組織力など)にシフトしました。優秀な人材をどれだけ獲得することができるか、が企業成長の命運を握るようになっています。そして、獲得した優秀で多様な人材たちは、その後もグローバルに広がった労働市場の中を縦横無尽に動くことができるため、それらの人材を自社に繋ぎ止め、活性化し続けることが現代企業の最重要テーマであり、グローバル経営を推進していく最上位の目的といっても過言ではない、といえるでしょう。

残念ながら、このグローバル労働市場の中での日本企業の存在感は非常に乏しいのが実状です。日本の商品や日本人は好きだけれども、日本企業で働くことは選択肢に無いという声を良く耳にします。グローバル労働市場の中では、Japan Nothingという声すら聞こえます。そこには日本人の宿命的な異文化コミュニケーション力の不足や、組織の閉鎖性、特殊性が影響しているようです。

本コラムではこれから、日本企業がグローバルに広がった「労働市場」の中で、優秀な人材に選ばれる組織、選ばれ続ける組織になるために、どのような変革が求められていくのか、さまざまな角度から考察していきたいと思います。

一色 顕

Akira Isshiki

PROFILE
早稲田大学卒業。新卒でソニー株式会社に入社。8年間の在籍中、TV部門のグローバルロジスティクス&プロキュアメント部門にてサプライチェーン構築を担当。後半4年間は、欧州向けTV開発・製造を担うソニースペイン・バルセロナ工場(社員:1,300人)に駐在。帰国後、株式会社リンクアンドモチベーションに転職。研修部門の運営責任者として講師育成・プログラム開発に携わるかたわら、自らも講師・ファシリテーターとして経験を積む。2010年、M&Aした会社のPMIに関わり同社の代表取締役に就任。2011年に同社の業容を拡大し、株式会社リンクイベントプロデュースに社名変更。4年間で売上高を3倍に伸ばす。2016年1月、株式会社リンクグローバルソリューション代表取締役社長に就任。

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