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COLUMN コラム

アジア最後のフロンティア 激動するミャンマー

2015.05.18

アジア最後のフロンティア「激動するミャンマー」(12)『ミャンマーにおける大統領選出制度』

宍戸 徳雄

まるで要塞のようなミャンマー連邦議会

今年2015年11月に、10年ぶりの立法府の総選挙が行われることは、本コラム8回、9回で書きました。この立法府である議会の総選挙と、大統領の選出選挙は異なる制度です。メディアも含め、制度的な理解が間違っていることが多いので、本コラムにて正確にミャンマーにおける大統領選出制度について解説をしたいと思います。実際に本コラムの読者からも、大統領の選出制度についていくつか問い合わせありましたので、皆様関心の高い分野なのだと思います。

ミャンマーにおける大統領(国家元首)は、2008年ミャンマー連邦共和国憲法にその就任要件が規定されています。就任要件については、アウンサンスーチー女史が国家元首になれないような規定の仕方になっていることが問題視されていることは既に11回目のコラムにて述べました。

さて、大統領の選出制度ですが、いわゆる下院である「国民代表院」と、上院である「民族代表院」、および、それぞれの議院に帰属する軍人議員の3主体(3母体)から、まずそれぞれ大統領候補者を選出します。
つまり、下院からの大統領候補者1名、上院からの大統領候補者1名、両議院にまたがる軍人議員の中からの大統領候補者1名の、合計3名の大統領候補者が選出されます。
その上で、下院(国民代表院)と上院(民族代表院)を合わせたミャンマー連邦議会において、大統領の選出投票を行います。
この投票において、最多得票者1名が大統領(国家元首)に選出されることになります。
最多得票を得ることが出来なかった他の大統領候補者2名は、自動的に副大統領に選出されます。

以上が、ミャンマーにおける大統領の選出制度です。下院民選議員330名+下院軍人議員110名、上院民選議員168名+上院軍人議員56名というミャンマー連邦議会の構成員を基礎として、下院民選議員、上院民選議員、両院軍人議員というそれぞれの母体から1名ずつの大統領候補者を選出し、その中での決選投票を行うという仕組みです。

したがって、当然、議院の議員総選挙の結果が、大統領候補者の選出に反映されますが、軍人枠が選出母体として一つ固定していますので、必然的に軍人出身の大統領ないし副大統領が1名選出されるという仕組みになっていると言えます。この辺が、メディアを中心として批判の対象としている仕組みです。

この大統領選出選挙は、2015年11月の議会の総選挙を経て、2016年3月に決選投票が行われる予定となっています。

宍戸 徳雄

Norio Shishido

PROFILE
株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンス 代表取締役。1997年株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)に入行。法人営業部等歴任し主としてコーポレートファイナンス、外国業務に従事。2012年独立、アジア総合法律事務所のシンクタンク(調査研究機関)である株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンスを設立、代表に就任。アジア地域の法制度・判例、行政運用などの調査、ビジネス環境・マーケット調査などをメイン業務としながら、数多くの日本企業のアジア進出の実務サポートも行う。民主化直後のミャンマーにも拠点を設置(ヤンゴン)、ミャンマー政府関係者、ローカル企業にも幅広い人脈を有する。2014年にはシンガポールに法人を設立、代表に就任、アジアの起業家を結びつけるネットワークNew Asia Entrepreneur Business Network代表(シンガポール)。著書に「ミャンマー進出ガイドブック」(プレジデント社)、連載記事「沸騰ミャンマー投資1~3」(プレジデント社)などがある。その他金融機関や商工会議所等にて、アジア進出に関わる多数の実務セミナー・講演活動を行っている。一般社団法人日本ミャンマー協会所属。

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