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COLUMN コラム

激動するミャンマー

2020.03.02

アジア最後のフロンティア「激動するミャンマー」(72) 『いよいよ外国人参入が解禁になるか、ヤンゴン証券取引所』

宍戸 徳雄

ヤンゴン証券取引所の取引指標

 ミャンマー最大の経済都市ヤンゴン。そこに日本証券取引所や大和総研といった日本企業コンソーシアムから49%の出資を受け、2015年12月にヤンゴン証券取引所が開設され、当時日本のメディアでも大きな注目を集めた。開所後、2016年3月には実際の株式取引が開始され、以降およそ4年が経過したが、その間、株式公開数やマーケットでの取引量は期待されていたほどには奮わず、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。

 現在上場している企業銘柄は、F M I(ファーストミャンマーインベストメント)、M I T S H(ミャンマーティラワS E Zホールディングス)、M C B(ミャンマーシティズンズバンク)、F P B(ファーストプライベートバンク)、T M Hテレコムの5社。2020年には、E F R(エバーフローリバーグループパブリック)を含む3社の株式公開が予定されており、ようやく8銘柄が揃う。

 このようなタイミングで、従来より国際社会からも強い要望が出ていた株式取引の外国人参入解禁が求められていたが、徐々にその準備が整いつつあると現地では報道されている。
 現状、外国人は、ヤンゴン証券取引所において、株式の取引(購入)はできない。外国人の取引解禁については、当初2019年7月に解禁との発表があったものの、実務細則ルールが定まらず、実際には解禁が実現しなかった。今回の報道では、解禁は2020年3月中にも実施される方向で、その内容が注目されている。

 解禁にあたり、その伏線として、先般改正された新ミャンマー会社法において、「外国企業」の定義規定が変更され、外国人又は外国法人が35%を超える株式を保有する会社が「外国企業」と変更になったことにより、証券取引所における外国人による株式売買についても35%までが認められるという解釈が成り立つと、既に市場関係者の間では認識が広まっていた。

 今回の証券市場での外国人による株式売買解禁も、上述の新会社法35%ルールに準拠し規制が緩和される見込みだ。また、現状、一日に4回しか取引ができないという回数制限が、一日7回まで取引回数が増枠される見込みだ。

 外国人の参入と、取引回数制限の緩和によって、取引量が低迷しているヤンゴンの証券市場の活性化が大きく期待される。また市場取引規模の拡大に併せて、ミャンマー企業の株式公開へのインセンティブが高まり、結果的に資金調達手段の多様化が実現し、ミャンマーにおける企業活動の活発化とマクロ経済の底上げに寄与することは、ヤンゴン証券取引所の設立当時からの悲願である。

宍戸 徳雄

Norio Shishido

PROFILE

株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンス 代表取締役。1997年株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)に入行。法人営業部等歴任し主としてコーポレートファイナンス、外国業務に従事。2012年独立、アジア総合法律事務所のシンクタンク(調査研究機関)である株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンスを設立、代表に就任。アジア地域の法制度・判例、行政運用などの調査、ビジネス環境・マーケット調査などをメイン業務としながら、数多くの日本企業のアジア進出の実務サポートも行う。民主化直後のミャンマーにも拠点を設置(ヤンゴン)、ミャンマー政府関係者、ローカル企業にも幅広い人脈を有する。2014年にはシンガポールに法人を設立、代表に就任、アジアの起業家を結びつけるネットワークNew Asia Entrepreneur Business Network代表(シンガポール)。著書に「ミャンマー進出ガイドブック」(プレジデント社)、連載記事「沸騰ミャンマー投資1~3」(プレジデント社)などがある。その他金融機関や商工会議所等にて、アジア進出に関わる多数の実務セミナー・講演活動を行っている。一般社団法人日本ミャンマー協会所属。

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