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宍戸 徳雄
Norio Shishido
株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンス 代表取締役。1997年株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)に入行。法人営業部等歴任し主としてコーポレートファイナンス、外国業務に従事。2012年独立、アジア総合法律事務所のシンクタンク(調査研究機関)である株式会社アジアリーガルリサーチアンドファイナンスを設立、代表に就任。アジア地域の法制度・判例、行政運用などの調査、ビジネス環境・マーケット調査などをメイン業務としながら、数多くの日本企業のアジア進出の実務サポートも行う。民主化直後のミャンマーにも拠点を設置(ヤンゴン)、ミャンマー政府関係者、ローカル企業にも幅広い人脈を有する。2014年にはシンガポールに法人を設立、代表に就任、アジアの起業家を結びつけるネットワークNew Asia Entrepreneur Business Network代表(シンガポール)。著書に「ミャンマー進出ガイドブック」(プレジデント社)、連載記事「沸騰ミャンマー投資1~3」(プレジデント社)などがある。その他金融機関や商工会議所等にて、アジア進出に関わる多数の実務セミナー・講演活動を行っている。一般社団法人日本ミャンマー協会所属。
3月21日、ティンチョー大統領が突然の辞任表明。以前より健康上の問題が取りざたされていたが、本人より休養を取りたいとの理由での辞任のようだ。ティンチョー大統領は71歳、スーチー国家顧問は72歳、共に高齢での行政府のトップを担ってきていた。 NLDによる2016年の歴史的な総選挙の圧勝に...
前回のコラムより、およそ1世紀以上ぶりに改正されたミャンマー新会社法の変更部分について解説をしています。 今回解説をするのは、会社の機関設計に関わる変更点です。 まず、取締役について、旧法では、国籍要件やミャンマー居住要件などはありませんでした。つまり、ミャンマーに居住していない外...
1914年のMyanmar Company Act(旧会社法)よりおよそ1世紀以上の時を経て、2017年12月に、ミャンマーにおいて改正新会社法が成立しました。 今回のコラムより数回に亘り、この改正新会社法の内容について、旧法との比較において変更があった部分について、いくつかピックアッ...
ティンチョー大統領が、大統領の立場としては初、個人的には40年ぶりの来日を果たした。大統領就任後から積極的に外遊活動を行っていたが、日本については、中国をはじめとして他のアジア諸国への訪問に大きく遅れる形となる訪日となった。 安倍総理との会談では、詩人でもあったティンチョー大統領の父親...
ローマカトリック教会のフランシスコ法王が、11月27日から3日間の日程で、ミャンマー入りした。ミャンマーが西ラカイン州の民族問題で国際非難を浴びる中、ローマ法王のミャンマー訪問で、その発言に世界中から注目が集まった。 法王の訪問に先立ち、アメリカのティラーソン国務長官は、西ラカイン州に...
最近のミャンマー関連のニュースと言えば、もっぱらミャンマー北西部のラカイン州の難民問題がその中心だ。このコラムでも、国際社会から見た同問題という視点と、ミャンマー国内から見た視点との間に、大きな差があることも解説してきた。現状、この問題の解消の道筋が見えていないが、アウンサンスーチー国家顧...
現在報道されている西ラカイン州で起こっている難民問題について、ミャンマー国内においてミャンマー人がどのように捉えているのか。ミャンマー以外の世界で一般的に報道されている内容とは、大きく視点が異なっていることに注意をしなければならない。 世界が報じているロヒンギャ問題。そもそも、ミャンマ...
この連載コラムの中でも、過去何度か話題としてきたミャンマーにおけるロヒンギャ問題。依然として、ミャンマー政府は、ラカイン州に居住するロヒンギャ族に対する市民権を認めておらず、ロヒンギャ側の武装集団とミャンマー国軍との衝突が日々繰り返されている。報道によれば、バングラディッシュ国境付近へ27...
アメリカのホワイトハウス報道官は先月17日、国務省の北朝鮮担当特別代表であるジョセフユンが、ミャンマーを訪問し、アウンサンスーチー国家顧問、ミンアウンライン国軍司令官と会談。北朝鮮との間の軍事的な協力関係を完全に解消するように要請したと発表した。今回のジョセフユン氏のアジア歴訪の最終訪問地がミ...
アウンサンスーチー国家顧問は、2017年3月に国連人権理事会によって決定されていたロヒンギャ問題に対する調査ミッションの受け入れを拒否し、国際社会に衝撃が走った。 ミャンマー国内では、国軍系旧与党(USDP)の議員を中心に国連からの調査圧力に手緩い対応をすべきでないとの強硬論が勢いを増...
さる5月14日、アウンサンスーチー国家顧問は、北京で開催された一体一路経済圏構想首脳会談に出席した。 ロシアのプーチン大統領、トルコのエルドアン大統領、フィリピンのデュテルテ大統領など大物首脳が多数連ねる中、鮮やかな水色の美しいロンジー姿で、30か国を超える各国首脳との全体写真に納まったス...
バチカンでのローマ法王との面談を終えたアウンサンスーチー国家顧問は、英国に向かった。かつて軍事政権による自宅軟禁から解かれ自由の身になって以降、今や国政の事実上のトップの立場になってからも最も頻繁に訪れているのが英国だ。スーチー政権発足後でアジア以外の国で最初に訪れた国も英国であった。国家...
ミャンマーのティンチョー大統領が、2017年4月10日に中国を公式訪問した。 NLD新政権発足後、アウンサンスーチー国家顧問も、2016年8月に、日本への公式訪問(2016年11月)よりも早くに中国訪問を果たしていた。当時、日本への公式訪問が、中国やインド、イギリスなどに遅れること7か国...